• テキストサイズ

君に届くまで

第84章 新たな拠点、新撰組



「ど、どうする…?」

「どうするって…どうしましょう…?」

答えが出せないまま、彼らは再びその子の方を向いた。
すると、その子はおいでおいでと手招きをしだした。更にその向こう、つまり進行方向を指差したのだ。
誘われている、その事実に鳥肌は立つものの、指を指すその向こうに何があるのかと気にはなる。

「…ねぇ、ここで引き返そうよ。」

乱は気味悪そうに顔を顰めながらレンに言うが、彼女は乱ほどは気味悪く思っていなかった。

「多分ですが…、あの子は大丈夫です。」

何故なら、あの子の輪郭をなぞる様に清浄の気が湛えられているから。
レンにはそれが見えている。

「え、どういうこと?」

「そのままの意味です。あの子は邪神とは対極に当たるモノだと思いますよ。」

レンはそう言いながら、クナイを元に戻した。
それを何とも言えない顔で乱は見る。

「さて、これこそ”やってみなきゃ分からない”だと思うのですが?」

「”行き当たりばったり”はごめんだよ?」

「”危ない橋も一度は渡れ”とも言えますが?」

レンが肩をすくめながら少し笑うと、乱は長いため息をついてジト目で彼女を見上げる。

「…止めてもダメそうだね?」

「分かってるじゃないですか。」

レンはそう言ってにっと笑った。

/ 1263ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp