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君に届くまで

第74章 忍界大戦7



賑わっている街らしく、出店や屋台が所狭しと並んでいる。


途中、ショートカットの眼鏡をかけた男の子と短髪の男の子を見かけて、レンはまた立ち止まる。
両方とも黒髪に黒目だ。いや、短髪の方は瞳の色が薄い。
雰囲気が似ていることから兄弟だとレンは思った。

「またか?」

レンは黙って頷いた。

見覚えがあるのに思い出せない。
それに眼鏡の男の子の姿は、特に覚えていなきゃいけないような、よく分からない焦燥感が俄にレンを包み込む。

「行くぞ。」

「うん…。」

レンは促されてまた歩き出す。




「伊達引合せ処で〜す!」

「頼み事したい奴はいるか〜!?」

青い髪の男の子に真っ白な袴姿の男が呼びかけをしているのを見て立ち止まる。
特に袴姿の男の方は目を引く。
袴も真っ白なら髪も肌も真っ白だ。
そして、何故か彼の姿を見た途端、一際強い焦燥感に駈られる。
何故そう思うのかはレンにも分からない。

「お、いつも来る奴じゃないか。」

レンの姿を見つけて、袴姿の男はにっと笑う。

「お、本当だ。お前、いつも来る奴だよな?」

青い髪の男の子もリヨクを見てぱぁっと笑う。

そして二人はレン達に駆け寄って来た。
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