• テキストサイズ

君に届くまで

第74章 忍界大戦7



「レン?」

気がつくと、リヨクが心配そうに顔を覗き込んでいた。

「な、何?」

「お前、やっぱり昨日頭打ったのが響いてるんじゃないか?」

「え?そうなの?大丈夫かい?」

リヨクの言葉に、眼帯の男と浅黒の男がレンの近くまで寄って来て顔を覗き込む。

「傷は何処だ?」

浅黒の男がレンの周りを回り、頭の傷を探し始める。

「え、あ、いや…。」

「頭の何処を打ったの?」

眼帯の男がずいっとレンの前に顔を近付ける。
彼女はあまりの近さに若干身を退け反らせた。

「…ここか。」

斜め後方から声がかかり、ぐいっと頭を押される。

「いてっ。」

容赦のない触り方にレンは思わず呻いた。
どうやら記憶通りたんこぶが出来ているらしい。

「…いつも馴れ合うつもりはないって言うくせに…。」

レンは思わず呟いた。

「あれ?伽羅ちゃんの口癖よく知っているね。」

眼帯の男は驚いたような顔でレンを見る。
レンも驚いて眼帯の男を見た。
次いで浅黒の男を見上げる。
すると、浅黒の男は顔を顰めていた。

「…ちっ。」

彼は舌打ちする。
その様子から本当のことなんだと読み取れた。
そして、彼はそのまま黙って立ち去ってしまう。

レンはそれを呆然と見送った。
何故彼の口癖を知っていたのか、レンにはさっぱり分からない。

「…依頼。受けに来たんだけど。」

憮然とした声が隣から聞こえて、レンがそちらを向くと、何故かリヨクがムスッとしていた。

「ごめんごめん、そうだったね。幾つか来てるから見るかい?」

眼帯の男が少し笑いながら立ち上がり、カウンターの方に歩いて行く。

「あぁ、見る。」

リヨクもそれに答えると、眼帯の男の後をついて行った。
レンもその後を追う。

/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp