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君に届くまで

第73章 忍界大戦6



地面がボコリと盛り上がり、木の様な植物が生え始めた。
と思ったら、動けなくなった者を次々と包んで繭状にして果物のように吊るし始めた。

「……!」

レンも例外ではないようで、木の蔓が四方八方から彼女を捕まえようと伸びてくる。

レンは木の蔓に飛び乗りながら、印を組んで氷槍や氷華縛で対処する。
だが、いかせん数が多すぎる。

「レン!」
「大将!」

鶴丸と薬研は下から見守るしかない。
この植物は、何故か2人に牙を向けることはなかった。

レンのチャクラは、技を連発するせいで凄まじい勢いで目減りしていく。
このままのペースでチャクラを使えば、あと1、2分後には再び空になる。
だからといって出し惜しみをしている余裕はない。

ー万事休す…。

レンがそう思った時、昼間のような光が弱まり始めた。

ー助かった…。

そう思った時、レンの体が急に動かなくなった。

ーな、んで…?

レンの背を冷や汗が伝う。

「「レン!!!」」

鶴丸と薬研が同時に叫んだ。

視界の隅に、自身の三つ編みがちらりと見えた。
いつもの黒髪に戻っている。

ーそういうことか…。

取り込んだ自然エネルギーのチャクラが切れて、自分のチャクラしか残っていなかった。
おそらく、そういうことなのだろう。

動かなくなったレンの体に、木の蔓が一斉に巻き付いた。

レンは身動きの取れない体を必死で動かして声を振り絞る。

「に…げて…。」

果たして2人に聞こえただろうか。


「レン!!」

木渡りが出来る薬研が必死で手を伸ばすが、一歩遅かった。
彼の目の前で、レンはあっという間に木の蔓に巻き取られ、繭玉となってしまう。
そして、空高く聳え立つ木の太い枝の下に、他の人間と同じように吊るされてしまった。


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