第73章 忍界大戦6
「誰だお前。」
レンを見たシカクは、困ったように問う。
それはそうなるだろうな、とレンの後ろで鶴丸と薬研は思った。
シカクの他に本部にいた者が数名一緒に来たらしい。
皆、レンを功労者として認識している者だ。
だが、この短時間でのあまりの変わり様に何とも言えない表情を浮かべている。
「…レンですが。清浄な気を取り込んだらどうやら見た目が変わったようで。」
レンは疲れた様に言いながら、自身の三つ編みにした髪を取って色を確かめる。
「カメレオンか。」
シカクは、思わず突っ込んだ。
色が変わる人間なんぞ初めて見た、と心の中でごちて、一つため息をついた。
「何がどうしてそうなった。」
彼は事情を把握するべくレンに問いかけた。
「そいつはたぶん、自然エネルギーってやつなんだろうな。」
「「「自然エネルギー?」」」
3人は一様に首を傾げて聞き返す。
「そうだ。」
シカクはレン達から事情を聞き、推測を立てる。
以前、ナルトが用いていた術は自然エネルギーを取り込んで発動する仙術だった。
その際に、確かに見た目が変わっていた。
だが、同じ仙術か、と問われれば、レンの場合はまた違うように思える。
自然エネルギーを取り込むには、自身に膨大なチャクラを持っていなければコントロールすることは難しく、取り込み過ぎれば石化することもあると聞く。
「本来なら仙術を体得しないと自然エネルギーは使いこなせないと聞いている。
だが、お前の場合は特異体質なんだろうな。自然エネルギーに対応出来る体なんだろう。
色が変わったのはその反動かもしれねぇな。」
それを聞いた3人は、互いに顔を見合わせた。
「体は頗る好調なんだろう?」
シカクの問いにレンは頷く。
「なら、少し様子見るしかねぇな。ナルトが帰ってきたら聞いてみろ。」
「はい。そうします。」
レンは大人しく頷いた。