第73章 忍界大戦6
暫く、清浄な気を抜こうとあれやこれやと頑張ってみたが、レンからそれを抜くことは出来なかった。
当然、色も真っ白になったままである。
「…これじゃ、本部へは戻れませんね…。」
レンは肩を落とす。
「見た目があまりに変わりすぎたからな。」
下手すれば不審者と見間違えられる、と薬研は心の中で呟いた。
レンは大きくため息をついた。
「やっぱり変ですよね。この見た目。」
今の見た目は、まるで白い化け物のようだ、とレンはごちた。
「いや、変じゃない!綺麗だ!」
鶴丸は、嬉しそうに力強く言う。
彼のシンボルカラーは白である。
なので、レンが同じ白を纏うのが凄く嬉しいのだ。
まるでお揃いのようだ、と内心で浮かれている。
「…いや、そういうことを聞いてるんじゃないと思うぞ。」
薬研は、ダダ漏れの内心を悟りつつ、静かに突っ込んだ。
だが、綺麗なのには賛成である。
清浄な気を取り込んだせいだろうか。レンからは神気が溢れんばかりに満ちていて、神々しささえ感じる程だ。
レンは喜ぶ鶴丸を微妙な気分で見つつ、口を開いた。
「…何がそんなに嬉しいのかイマイチ分かりかねますが、とりあえずはこの状況をシカクさんに伝えた方が良さそうですね。」
彼女はそう言うと、湖から出て影分身を出そうと印を組んだ。