第73章 忍界大戦6
入ってきた…。
思った通りだった。
清浄な気は、レンの中に入るとチャクラに変換される。
からからのスポンジが一気に水を吸うように、彼女の中が満たされていく。
粗方満たされたところで、レンは踵を返し、湖から上がる。
「レン…、目が…。」
「大将、体何ともないのか?」
鶴丸と薬研は、そろりとレンに問いかける。
だが、レンには何を言われたのか分からない。
「体、ですか?特に変わりませんが…。凄く調子がいいです。」
それを聞いて、2人は顔を見合わせた。
そして何とも言えない面持ちで、再びレンを見る。
「その、な。目と髪が…。」
「その…、真っ白になってるぞ…。」
鶴丸と薬研から、そう言われたレンは怪訝な顔で2人を見返した。
そして、もう一度湖に入って行くと、静かになった湖面に姿を映した。
月明かりに照らされた自身の髪は、確かに真っ白になっている。
一瞬、現代で読んだ浦島太郎の話が過った。
「年を取ったのかしら…?」
レンは現実を受け入れられず、呆然とするしかなかった。