第73章 忍界大戦6
「これは…!」
シカクは本部が吹き飛ばなかったことに疑問を抱き、状況を把握する為に外に出た。
そこで見たものは、大きく抉れた大地の淵に身を寄せ集まって座り込み固まっている3人の姿だった。
何が起きたのか聞き出そうと近づいていくと、その3人の後ろ姿には見覚えがあり…。
「お前等、こんなとこで何やってんだ?」
後ろから声をかけられた3人は呆然としたまま、ゆるゆると振り見上げる。
その何とも言えない顔を見た時に、シカクにもしかしたら、という考えが過った。
シカマルからレン達が本部に向かっていることは聞いていた。
尾獣玉は真っ直ぐ本部へ放たれ、爆撃は免れないだろうと、シカクは己の命を悟っていた。
けれど、すぐ外で爆発音は響いたが、自分達はまだ生きている。
「すげぇな、お前等…。」
つまり、あの誰もどうにも出来ない攻撃を、レン達が回避したということになる。
「大事に至らなくて良かったです…。」
レンは呆然としながらも力なく答えを返した。
ーやはりか…。
シカクは感服する。
ー大したもんだ…。
彼は困ったような笑みをレン達に向けた。
対して、レンは回避出来た安堵とチャクラ切れで鶴丸達に掴まったまま動けなくなっていた。
回復するには、寝るか食べるかしかない。
そして、今は寝れる状況でもない。
「…すみませんが、兵糧丸ください。」
食べて回復するしか手段はなかった。