第73章 忍界大戦6
丁度、雲隠れの里に着いた辺りで、遠くの方で大爆発が起きたかの様な轟音が轟いた。それと共に、遅れて地鳴りとも地震とも思えるような音が周囲に響き渡る。
その様は、この世の終わりを彷彿とさせた。
「何が起きた…?」
鶴丸は不気味そうに辺りを見回す。
「爆発音、だったよな?」
薬研も不安気な声で、誰ともなく問いかける。
だが、その問いに答えられる者は誰もいない。
「急ぎましょう。」
レンは、更にスピードを上げた。
本部に着くと同時に、あちらこちらで大爆発が起き始めた。
それも一発、一発毎に、爆発規模が目視可能になっている。
「何か、近づいて来ている様な気がするのは気のせいか…?」
薬研は顔を引き攣らせた。
「…大きくそれているものもありますが、概ねこの周囲に当たってますね。」
レンも顔を顰めた。
爆発が起きる前には必ず禍々しい気配が飛び交っているのも気になるところだ。
そう言っている間にも、もう一発左側の方で爆発が上がる。
その前に、視界の隅で何かが飛んで行ったのも見えた。
「今、何か飛んできてたよな…?」
「私も確認しました…。」
「…俺も。」
3人は顔を見合わせてゾッとする。
つまりは、先程から爆弾のようなものを投げられているのではないだろうか。
レンは冷や汗を浮かべながらもどうすべきかを考える。
だが、いくら考えを巡らせてもいい手は浮かばない。
ここから退避するにしても、あの爆弾がどこに投げ込まれるのか分からないし、爆発の規模が大きすぎる。
同じ理由で、氷で壁を作ったところで強度など高が知れている。