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君に届くまで

第72章 忍界大戦5



ナルトの中に今もその夢があるのかは知らない。
けれど、真っ直ぐ育っていったのは見て取れる。

単純に嬉しかった。
大きく立派な姿を見れたことに安心した。


「あれ…?ねぇちゃん、何処かで見たこと…。」

いつの間にやらナルトが目の前にいた。
と、思ったら、

「ああぁぁぁぁ!!!」

突然大声を出されて指をさされた。

「お前、あん時の!!」

ナルトは酷く驚いたような面持ちだった。

「覚えているのか?」

レンも面食らう。
忘れられても不思議はないくらいには時は経過しているし、ナルトも幼かった。

「覚えてるってばよ!」

ナルトはにっと笑う。
彼の中で、レンの存在は印象深いものだった。
レンは、あの頃の自分を蔑みの目で見ることなく、真っ直ぐ存在を受け止めてくれた一人だったのだから。

「ねぇちゃんの言う通り、”真っ直ぐ目指してる”ぜ!ありがとだってばよ!」

それだけ言うと、また違う場所に駆けていく。

「そうか…。」

レンはぽつりと呟き、嬉しそうに顔を綻ばせた。


「知り合いだったのか?」

鶴丸は瞠目しながらレンに尋ねる。
穏やかなその微笑みは、滅多に見ることのない笑顔だ。

「昔、少し言葉を交わした程度です。覚えているなんて思いもしませんでした。」

鶴丸は少しの嫉妬を抱きながら、駆けていった青年を見る。

「…帰ったら聞かせてくれないか?」

「はい、いいですよ。」

レンが頷くのを見て、鶴丸は微苦笑を浮かべながら彼女の頭を撫でた。
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