第72章 忍界大戦5
全ての穢土転生を封印することが出来、少しの休憩を挟んでから大移動が始まる。
だが、その方角からは絶えず邪気が流れてくる。
「大将、この方角は不味くないか?」
薬研の問いにレンは硬い表情で頷く。
「…そうですね。まだまだ先だと言うのに、今からこれでは近づくことは出来ないかもしれない…。」
レンは先頭付近を走るシカマルに追いつこうとペースを上げる。
「シカマルさん、ちょっとお願いがあるんですが。」
シカマルに追いついたレンは単刀直入に切り出した。
シカマルはちらりとレンを見て前を向く。
「私達はたぶんこの先へは行けません。なので引き返したいのですが。」
シカマルは目を見開いて驚いてレンを見た後、全体を見渡して声を上げた。
「少し休憩に入る!すまねぇが各自休んでくれ!」
その号令に全体の歩みが止まる。
「どういうことだ?」
シカマルはレン達に向き直ると顔を顰めた。
まだまだ戦争は最中だというのに、降りるとでも言うのだろうか。
「邪気ですよ。この先から強い邪気を感じるんです。おそらく手に負えない程のモノです。行っても私達は動くに動けず足手纏いになります。
その代わりと言ってはなんですが、本部に行きたいのですが。」
どうせ、戦場に近づけないのであれば、気になっていた本部の邪気擬きを探りたい、とレンは考えたのだ。
「本部に行って何するんだ?」
シカマルは眉を顰めながらレンを見る。
考えていることがさっぱり読めない。