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君に届くまで

第72章 忍界大戦5



「俺、握手してくれ!」

「俺、結婚を前提にお付き合いしてください!」

「お前、抜け駆けは汚ねぇぞ!」

「こういうのは早いもん勝ちと相場は決まってるんだ!こんな美人なんだ!ほっとく手はないだろ!?」

「じゃ、俺も候補に入れてくれ!」

「僕もお願いします!」

「あ、もしかして恋人でもいる?」

「いてもお前気にしないくせに。よく言うよな。」

「人聞きの悪いこと言うなよな!」

男達の独壇場に、レンは呆気に取られて只々口を挟めず立ち尽くす。


「いい加減にしろ!」

レンの後ろで大人しく聞いていた鶴丸だったが、遂に堪忍袋の緒が切れた。

「レンは大事な大事なうちの娘だぞ!」

鶴丸は叫ぶようにそう言うと、抱える様にレンを抱き込む。

「何ぃ〜!?お父さんですか!」

「お前にお父さんなんて言われる筋合いはない!これ以上レンに触るな!」

「何でだよ!いいだろ!?だいたい、娘に嫁に行ってもらいたくない親なんていないだろ!何で反対するんだよ!」

そうだそうだ!との男達の声に、鶴丸は顔を顰めて益々レンを隠す様に抱き込んだ。

「うちの娘は箱入りなんだ!絶対に嫁になんかやらないからな!!」

何の話をしてるんだ!とレンは内心突っ込んだ。
内心でなくても大声で叫びたかったが、実際は鶴丸にがっちり頭を抱き込まれて身動きが取れなかったのだ。

「子離れできない親は娘に嫌われるぞ〜。」

そうだそうだ!とまたまた男達の声が上がるが、鶴丸はどこ吹く風でそっぽを向く。

「それは余計なお世話というものだな。俺達とレンの絆は、海より深く山より高い。」

それを聞いて、男達も負けじと言い返す。

「嫁げば嫁ぎ先とも絆は出来るぞ!」

「奥さんになれば変わる!」

「だ〜か〜ら〜!!やらないって言ってるだろ!!」

鶴丸は唸る様に怒鳴り返し、そのままぎゃーぎゃーと言い合いを始めてしまう。
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