第72章 忍界大戦5
「じゃあ、感知班がそもそも敵に変化してるとか?」
チョウジがのんびりとした口調で口を挟む。
「ないわよ。私が感知班を配置したのよ?みんな仲間だった。白い奴だったら分かるもの。」
いのがすかさず反論する。
「じゃあ、いのが偽物…」
「殴るわよ?」
チョウジが冗談半分で言うと、いのが彼に握り拳を見せながら凄んだ。
「ごめん…。」
チョウジは、即刻彼女から目を逸らしながら謝罪を口にする。
「けどよ、何であんたらは無事だったんだ?仲間に変化してたんなら背後取られても不思議はねぇよな?」
「白い奴からは邪気が出てるので、見れば分かるんです。変化していてもそれが見えれば自然と警戒しますから。」
不思議そうに首を傾げるシカマルにレンは淡々と答えた。
「邪気?」
「なぁに?それ。」
シカマルといのの問いに、レン達は互いの顔を見合わせる。
カカシの時と同様、何と説明すればいいのか分からない。
「…説明出来ないんで、気持ち悪い気配って思ってもらえますか?」
「随分ざっくりだな。」
レンのふわんとした説明に、シカマルは困ったように後ろ頭を掻いた。
「俺も”それ”としか説明しようがなくてな。」
「俺も感覚で分かるだけだ。だから見て分かるのはレンだけなんだ。」
鶴丸と薬研も苦笑しながらシカマルを見る。
「邪気は黒い靄ですが、私だけが見えてるんで私も嫌な気配としか言いようがありません。」