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君に届くまで

第72章 忍界大戦5



レンの答えを聞いたシカマルは、腕を組んで少し考えた後、一つ息をつく。

「まぁいいや。この際邪気が何なのかはどうでもいい。今は一刻も早く白い奴を何とかすることだ。」

「どうするの?」

いのもシカマルを見る。
こういう時、シカマルなら上手く纏めてくれるのだ。

シカマルは口元に手を当てて逡巡する。

「レン。邪気は見れば一瞬で分かるのか?」

「灯りがあれば見てすぐ判別できます。暗いと背景に同化してしまうので見え辛くなります。」

シカマルは更に考える。

「あんたの術で、氷で相手を包むやつあるよな。あれって局所的に凍らせること出来るか?」

シカマルの問いにレンは頷く。

「可能です。」

シカマルはよし、と小さく呟くと口元から手を外す。

「仲間には、その場で2人或いは3人一組になってもらって互いに見張ってもらう。」

「見張り…ですか。何でって話になりませんか?」

白い奴の変化は、感知班の目も誤魔化せる程のものだ。
レンだから見て分かったのであって、普通はただの仲間にしか見えないだろう。

仲間が仲間を見張る。
それは上手くいくのだろうか?

「まぁな。だから、基本は聞かれたら素直に事情を話す。こういう疑心暗鬼になりそうなことってのは、嘘は言わない方がいいからな。」

シカマルは微苦笑を浮かべながら話す。

仲間に仲間を疑ってもらうのだ。
それには根幹の情報がしっかりしていなければ作戦は瓦解する。
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