第70章 忍界大戦4

「薬研！」

鶴丸が遅れて駆けつけ、後を追うようにリヨクも来た。

「お前は見ているだけか？レン」

その問いに応えるように、薬研はレンの腕の中で呻く。

レンは腹を括った。

「…私がやる。私がリヨクを止める。」

家族を失うくらいなら、自分で動く。
大切なものを守れないのは、もうごめんだ。
リヨクの時に、強くそう思った筈だ。

守られたから失った。
だったら守れば失わない。

「よせ、レン！」

鶴丸はレンの肩を掴んで止める。

「…鶴さんは薬研を守って。」

レンは、抱えていた薬研を鶴丸に預けた。

「だが…」

「お願い。」

そう言って鶴丸を見上げたレンの瞳は昏く悲し気だった。
鶴丸は息を呑む。
レンのひやりとするような昏い瞳を見たのは、いつかの手入れ以来だった。