第70章 忍界大戦4
ガキン!!
「…どこのどいつか知らないが、俺とレンの間に首を突っ込むな。」
リヨクのクナイを止めたのは薬研だった。
「…悪いがそうもいかないんだ。レンが立ち直るまで少し待ってくれ。」
薬研の後ろから大きな刀がきらりと煌めく。
「……!」
リヨクは慌てて後ろに跳んで避ける。
ヒュン!と音がして鶴丸の刀は空を切った。
「よく避けたな。」
鶴丸は怒りを滲ませた瞳をリヨクに向ける。
殺気とも取れるその気迫に、リヨクは口元を少し綻ばせた。
「お前達はレンの何なんだ?」
リヨクの問いに、鶴丸と薬研はレンを守るように立ち塞がり、
「「家族だ。」」
一寸の迷いなく答えて、リヨクを正視した。
2人のその様子に、リヨクはふんわりと笑った。
「そうか。」
2人はそんなリヨクを見て瞠目する。
「だが悪いな。俺はレンじゃなきゃ、全力で抵抗するぜ。」
リヨクは再びクナイを構え直した。
「上等だ。キミはレンの兄妹だろ?レンはキミを殺したことを今でも悔やんでいるんだ。同じ轍は踏ませない。」
鶴丸がそう言うと、リヨクは悲し気に瞳を曇らせた。
「俺達も全力で抵抗させてもらうぜ。」
薬研も刀を構えた。
そこからリヨクと鶴丸達の戦いが始まった。
レンはへたり込んだまま、それを見ているしか出来なかった。
止めれば、自分がリヨクを殺さなければならない。
止めなければ、鶴丸達が怪我を負うかもしれない。
レンは逡巡し、結局動けずにいた。