第70章 忍界大戦4
「腑抜けたことを言うのはよせ。俺は泣き言が嫌いだ。知ってるだろう?」
リヨクは、ひたとレンを見下ろす。
「周りを見ろ。お前の仲間は生身の人間。対して俺達は不死身の死人だ。」
リヨクは、鶴丸と薬研に支え起こされたレンに近づいていく。
「どっちが不利かなんて明らかだろ。」
レンは黙ったまま俯く。
分かっているが、答えられなかった。
「お前のやることは何だ?」
問われても尚、レンは答えることが出来ない。
「立て。今度もお前が俺を殺せ。」
その言葉に、レンは絶望を滲ませた瞳をリヨクに向ける。
リヨクは、その目を見て少し痛そうに顔を顰めた。
「…俺はお前になら素直に殺されてやる。けど他の奴に殺されるくらいなら全力で抵抗する。」
そう言って言葉を切ると、継ぎ接ぎのある自身の手を見た。
「どうせ俺は自分の力で動けない。操られている以上止まれはしないんだ。」
リヨクはもう一度レンを見た。
「だからお前が俺を止めろ。」
そう言うと、再びクナイの切っ先をレンに向けて振り下ろした。