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君に届くまで

第70章 忍界大戦4



「…迷っているところ悪いけどな、こっちは体が勝手に動くんだ。だから待ってはやれない。」

言うが早いか、リヨクはクナイを構えて走り出した。
その矛先は、当然レンだ。

ガキン!!

リヨクとレンのクナイが交わる。

昔は、それだけで押されていたのに、今は容易く受け止めることが出来てしまう。
それだけの年月が過ぎた。
リヨクは十年前のままで止まっているのだ。

「やるじゃないか。」

リヨクはにやりと笑う。

そこから怒涛の攻撃が始まった。
次々と繰り出される剣技を、レンは全て見切って躱していく。
おそらく昔だったら歯が立たなかっただろう攻撃の型だ。

「防戦一方か?」

リヨクはレンを静かに見返す。

「…やりたくない。リヨクとだけはもう…殺し合いたくない。」

レンの紛うことなき本音だ。

それを聞いてリヨクは眉を顰める。
不意打ちのように、リヨクはレンの横腹を蹴り飛ばした。
怒った時に何度か喰らったことがある本気の蹴りだった。

「「レン!!」」

鶴丸と薬研は見ていられず、蹴り飛ばされたレンに駆け寄った。
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