第17章 薬を作る
「と、その前に。」
薬研は前置きし、小さい木箱から金属製の丸いケースを出した。
薬の様だが…。
「これ、刀剣専用の塗り薬なんだ。」
「え?刀剣に効くのかい?」
燭台切は目を瞬かせる。
「あぁ。擦り傷くらいなら簡単に塞がるぜ。」
「なら、これを小夜ちゃんに塗れば…。」
燭台切が薬研に聞き返すも、薬研は首を横に振る。
「このままだと、ただの傷薬なんだ。
刀剣に使うには、最後の調合が必要になる。」
薬研はレンに向き直る。
「それが審神者の力なんだ。大将、頼めるか?」
「え?私ですか?何をするんです?」
レンは薬研に尋ねると、彼はニッと笑う。
「玉鋼を薬に練り込むのさ。」
「「「え?」」」
一同はぽかんとする。レンは一言、
「無理じゃね?」
と呟いた。