第69章 忍界大戦3
レンは、不死身の人間を凍らせながらも、これがカカシ達が言っていた穢土転生なのだろうと察していた。
木の葉の人間で、見知った顔も見かけてはいた。
姿も、術も、生前のそれと全く変わらない。記憶そのままと言ってもいい。
そのようなモノを見てしまえば、自然と思い出されるのはリヨクの姿で…。
「大丈夫…。リヨクは出てこない…。」
レンは何度も自身に言い聞かせるように小さく呟く。
穢土転生に必要な物は、故人の体の一部が必要だと聞いた事があった。そして、根で死んだ者達をダンゾウが供養するとも思えない。
リヨクの死体は何処ぞで捨てられた可能性が高い。つまり、リヨクを甦らせることは不可能。
そう思っていたのだが…。
「リヨク…。」
少し離れた所に、記憶そのままのリヨクが味方陣と戦っていた。
「レン?大丈夫か?」
様子が変わったレンに気づいた鶴丸が、彼女の肩を揺する。
だが、彼女は一点を見つめたまま動かなかった。