第69章 忍界大戦3
まず薬研が斬りかかり、頸動脈を狙った。
「どうだ!」
捕まることなく、狙い通りの致命傷を与えた。
だが、白い化け物からは血は流れず、そのまま何事も無かったかのように動き出し、薬研に襲いかかった。
「させるか!」
鶴丸は背を向けたソレに居合い斬りを放ち、見事に真っ二つにした。
そこで漸く動きを止めることが出来た。
「こっちもお願いします。」
いつの間にかレンがもう一つの化け物と対峙していて3本程の氷槍がソレに突き刺さっていた。
どの氷槍も致命傷の筈なのだが、やはりソレも刺さっていることなどお構いなしに動き回っている。
「…任せろ。」
若干の気持ち悪さを感じつつも、鶴丸はレンの攻撃の境を狙い、刀を振り下ろす。
すると、じたばたと多少踠いた後、ソレも動かなくなった。
「胴体か首を刎ね飛ばせば止まるようですね。」
レンは、動かなくなったソレを足で突きながら言った。
鶴丸はそれを何とも複雑な顔で見遣る。
「…キミは気持ち悪くないのか?」
触らないでいられるなら極力触りたくない、と彼は思う。
それを見たレンは不思議そうに首を傾げた。
「別に何とも思いませんけど。例えるなら、向こうで言う殺戮ロボットみたいなモノだと思いますし。」
レンはそう言って、再び体を白いソレを足で転がしながらしげしげと見る。
2人は何とも言えない顔でレンを見た。
「…こういうのを怖いもの知らずっていうのかな…。」
「だな…。」
薬研と鶴丸は疲れたように肩を落とした。