第69章 忍界大戦3
それを聞いて、レンはある方角を見る。
その方角から、邪気のような禍々しい何かを薄ら感じるのだ。
「テマリさん。」
「何だ?」
信じてもらえるだろうか…。
でも闇雲に探すよりは手間が省けるのではないだろうか…。
話しかけておいて逡巡するレンを、テマリは急かす。
「言いたいことがあるなら言え。」
「…せっかちですね。」
「お前が勿体ぶるからだろ?」
眉を顰めるテマリにレンは小さくため息を零す。
「…一時の方角から嫌な気配がするんです。」
それを聞いて、テマリは前方のほぼ真正面を注視する。
「…何も感じないぞ?」
「それ、何でそう思うんだ?」
近くで聞いていたシカマルが口を開いた。
「向こうから帰ってきてから体質が変わりました。大凡、人が見えないモノが感じられるようになったんです。」
「それが自由行動を望む所以か?」
「はい。もしかしたら近づけない場所があるかもしれないし、こうして嫌な気配が分かる時があるからです。」
「…ほう?」
シカマルは目を少し眇めて、レンを注視する。