第69章 忍界大戦3
レンの所属する第4部隊は、見渡す限り砂と岩とに囲まれた平野に配置された。
隊が分かれ人が減ったとは言え、まだまだ人数が多い。
その中でも、先程まで見えなかったものがレンには見え始めていた。
シカク達と同じ類に思える黒い靄だ。
見渡すと、点々とそれは見え、やはりその人その人を包み込むように漂っている。
試しに近くにいた、靄に覆われた人にさり気なく近づいてみるも、やはり何も感じない。
ただ透明な黒い霧に包まれているだけ、といった印象だ。
レンが邪気擬きを調べていると、近くから呟きが聞こえた。
「随分と広大だなぁ。」
薬研があたりを見回して、興味深そうに見ている。
「レンも来たことあるのか?」
鶴丸も見回しながらレンに尋ねた。
「ルートの一つとして通ったことはありますが、明るい時に来たのは初めてですね。」
「…おいおい。観光に来たんじゃねぇぞ。」
近くにいたシカマルは呆れた声を上げた。
「すまんなぁ。何せこんな広い広野を見たのは初めてなもんで、ついな。」
それを聞いた薬研が微苦笑を返した。
「戦争が終わったら好きなだけ案内してやるから、今は敵に集中していろ。」
テマリはピリピリとした様子で、辺りを伺っている。
「いつどんな手を使ってくるか分からないんだからな。」