第69章 忍界大戦3
それを見ていた鶴丸は、ムッとして少し眉を顰めた。
「…疑うくらいなら聞かなきゃいいだろ?」
「…何言ってんだ?」
対してシカマルは、理解できないとばかりに不可思議そうな顔で返す。
「疑うだろ、普通。つーか、そのまま鵜呑みにする馬鹿はいねぇだろ。」
「本当のことを言っているのに、何故疑う必要があるのか?」
「それを見極めるためにも一旦は疑うんだろ?」
「やめろ、こんな所で!」
今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気に、テマリが間に入った。
「っていうか、お前が止めろ!」
仲間だろ、と言いながらレンを小突いた。
「えぇ〜…。理不尽…。」
レンが小さく呟くと、じろりとテマリに睨まれて、彼女は慌てて口を閉じた。
「あー…。この2人は根が素直なんで。多めに見てください。」
レンがシカマルに言うと、鶴丸はあからさまに顔を顰めた。
「何で俺が悪いことになるんだよ!レンが疑われてるんだろ?!」
納得いかないと言わんばかりの鶴丸を、レンは落ち着かせようと彼の腕をポンポンと軽く叩く。
「鶴さん、鶴さん。ここは、忍の世界です。忍は騙すのが本分です。カカシさんも言っていたでしょう?簡単に手の内を晒していると生き残れない。だからその逆も然り、なんですよ。」
レンがそう言うと、鶴丸は瞠目する。
「何事も疑ってかかることは、この世界では常識です。」
それを聞いていた薬研は、疲れたようにため息をついた。
「大将の性格はそうやって作られたのか…。」
ぼそりと呟かれた言葉に、レンは薬研を半眼で見る。
「…何か?」
「いーや、何も。」
薬研は慌てて明後日の方角を見る。