第68章 忍界大戦2
「でも邪気じゃないのか。」
鶴丸は怪訝そうに、レンに尋ねる。
「見た目は邪気そっくりです。けど、嫌な感じがしなかったから邪気とはまた違うものなんだと思うんです。」
邪気と同じ黒い靄。
けれど、嫌な感じは無い。
良いものか悪いものかと問われれば、色からしていい気はしない。
レンは、うーん、と唸った。
鶴丸達にも答えは出ない。
「…死の気配…、だったりしてね…。」
カカシがぽつりと呟く。
「…え?…本部の人全員ですか?」
レンはその呟きに懐疑的な声を上げる。
「ただの勘だよ、勘。俺には見えないから何とも言えないが、黒から連想されるのは”死”だと思ったのさ。」
「いやいやいや。それ本当なら洒落にならないですよ。ここ砦ですよ?
こう言ったら何ですが、戦時下のこの状況で一番安全な所じゃないですか?」
「そうとも限らないさ。相手はあの、うちはマダラだからね。神出鬼没だし、底が知れない。」
カカシから出た名前にレンは驚き瞠目する。
「うちはマダラって、あのマダラですか?」
「そうだよ。」
「死んでいる筈では?」
生きていられる筈がない。
今生きているとしたら、大凡100歳前後。
例え生きていたとしても、この世に留まるだけでも精一杯だろう。
「何をどうやったのか、普通に生きてたんだよ。で、そいつが宣戦布告して、忍界大戦が勃発したってわけ。」
「…俄には信じられません。」
ありえない、とレンは思う。
「ま、これが現実だよ。事実は小説よりも奇なりってね。」
カカシは苦く笑う。