第68章 忍界大戦2

「…本当にいいのか？」

それまで黙っていた薬研が口を開いた。

「レンの気遣いは嬉しいが、黙っていることでレンが孤立しやしないか？」

薬研は少し不安そうにシカク達を見上げた。

「人は情報を共有するからこそ絆が生まれる、と聞いたことがあるぞ。」

鶴丸も少し苦い顔をした。

「俺達の秘密を守ることでレンを窮地に立たせるのは本意ではない。」

「俺もそう思う。」

鶴丸と薬研は神妙な表情でシカク達を見る。
それで例え自分達の身に危険が及ぼうとも、レンに不憫な思いをさせたくはなかった。

だが、シカクといのいちは瞠目した後、互いに顔を見合わせた。
と、思ったら大笑いし出した。

「…あの。気遣いは嬉しいですが、それしきで除け者扱いされるくらいなら、そもそも戦争に出ようとは思いませんから。」

レンは、心底困って鶴丸達を見る。

「あははは！そうだな。それしきでこいつを刎ねるくらいなら、呼び戻したりはしないさ。」

「くくくっ！シカクの言った通り、それはない。安心していい。」

シカクといのいちは可笑しそうに腹を抱えている。

「君達、素直すぎるって言われない？」

カカシは、シカク達を横目で見つつ、だるそうな目で鶴丸達を見る。

「「…へ？」」

鶴丸と薬研は面食らって、鳩が豆鉄砲喰らったような表情を浮かべる。
それなりに覚悟を決めて言ったつもりが、拍子抜けだ。

「忍はね、騙し合いが本分なの。そう簡単に手の内晒したら生き残れないよ？」

カカシが困ったように笑いながら、鶴丸達に言った。