第68章 忍界大戦2
「それ、謝ってるのか…?」
シカクの後ろから声がかかり、そちらに目を向けると、黄金色の長髪をポニーテールにした男性が呆れ顔で立っていた。
この人も黒い靄で覆われていた。
どういうことなんだろう、とレンは内心首を傾げる。
「お、来たな。こいつは俺の幼馴染でな。いのいちって言うんだ。」
いのいち…。
どこかで聞いたような…。
レンは、ついさっきテマリといた女性を思い出す。
「もしかして、山中いのさんの?」
「おぉ、娘を知っているのか?」
いのの名前を出すと、その人は嬉しそうに顔を綻ばせた。
「いやぁ〜。いのはうちの自慢の娘でな…」
そう切り出して、娘自慢が始まった。
花屋での様子やアカデミーでの話などなど、どこまで話すのかとレン達が思っていると、
「…おいおい。娘自慢は戦争が終わってからやれよ。」
シカクが止めに入った。
「おっと、そうだな。いや、すまんすまん。ついな。」
いのいちは少し照れ臭そうに頬を掻いた。
「で、どうなんだ?」
シカクが聞くと、いのいちは物珍しそうに鶴丸と薬研を見る。
「問題なく感知出来るよ。しかし不思議だな。この2人からはレンと全く同じチャクラを感じるんだ。まるで影分身のような。」
鶴丸と薬研は驚いて目を見開いた。
「神気まで分かるのか。」
「当たりか。だが、何故全く同じチャクラなんだ?」
鶴丸の呟きに、いのいちはにっと笑うとレンに問いかけた。