第68章 忍界大戦2
木の葉の里から雲隠れまで、人の足で約3日。
火の国の範囲は殆どが木渡りでの移動だ。
木渡りが不得手な鶴丸は、火の国では苦しい思いをしたが、平地での移動では、体力切れを起こした薬研が苦労した。
「ば、ばけものぞろい…。」
そう言って、休憩時には必ず寝転んでしまう程、逼迫していた。
「まだまだ特訓が足りませんでしたね。」
レンは薬研にチャクラを流しながら言う。
薬研は、ここ最近レンの特訓を受けており、漸く神気を使いこなせるようになったばかりだ。
その為、スムーズに神気による強化が出来ないのだろう。
「…目的地まで後どれくらいだ?」
「大体四半刻といったところでしょうか。」
「…後もう少しだな。」
ギーギーと音が鳴りそうなぎこちない動きで起き上がる薬研を見て、レンはしゃがんだまますっと背を向けた。
「おぶりましょうか?」
「絶 ・ 対 ・ 嫌だ!」
薬研は噛み付く勢いで即刻否定する。
「そんなよれよれの状態で言われてもねぇ…。」
対して、レンは腕を組んで考える。
戦争前にこれではいざとなった時に動けなくなる。
休める内に休んでほしいものだが…。
「あの…。もし良かったら、治癒術受けてみませんか?」
声の主を振り仰ぐと、サクラだった。
レンは少し驚いてから薬研を見る。
ダメで元々。
付喪神と言えど、体の構造は人間に近い。
ならばやってみる価値はあるのではないだろうか。
レンはサクラをもう一度振り仰ぐ。
「お願いできますか?」
「勿論!」