第67章 忍界大戦1
「あー…、私行くね。じゃあね、サクラ。また後で。」
「あ、うん。…しっかり仲直りしなよ?」
「わ、分かってるわよ。」
いのは慌てた様子で、サイ〜!と呼びかけながら追いかけて行った。
一人部屋に残されたサクラは苦笑を浮かべながら、彼等に向き直る。
「あー…。何かごめんなさいね。」
「大丈夫です。それより何か連絡事項でもあるんじゃないですか?」
「もう少ししたら出発だし。一度様子を見に来た方がいいと思って。」
「そうですか。ありがとうございます。」
あくまで淡々とした風を崩さないレンに、サクラは最早言葉がない。
根の人はみんなこうなんだろうか、と彼女は少しげんなりする。
「あー…、悪いな。来てくれてありがとう。」
「俺達も色々と思うところがあったから、気遣いは嬉しいよ。」
見かねた鶴丸と薬研が、微苦笑を浮かべてレンの代わりにお礼を返す。
「え、あ、そう?どういたしまして!」
儚げとも見える美青年2人の微笑みにサクラの気分が上がる。
表面上はにこやかに笑うサクラの表情から、”イケメン!しゃーんなろー!”などとテンション爆上がりな心の内は読み取れない。
「じゃあ、また後で!」
「あぁ、よろしく頼む。」
サクラは、鶴丸の受け答えに手を挙げて答え、上機嫌に去って行った。