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君に届くまで

第67章 忍界大戦1



「ごめんなさいね。ああ見えて根は優しいのよ。それにこれから戦だしね。気が立ってるの。」

「私からも謝るわ。ごめんなさい。でもいのの言った通り、根はいい奴だから。」

いのとサクラは微苦笑を浮かべて謝罪を述べる。

「そうか…。」

鶴丸は答えた。
そう言われてしまえば、頷くより他はない。

「きゃぁ〜!でもほんとイケメンよね。人間じゃないなんて信じられない!」

いのはそう言いながら、目を輝かせて鶴丸と薬研を覗き込んだ。

「え?あ、いや…。」

「ど、どうも。」

シカマルとあまりに対照的な態度に鶴丸と薬研は面食らう。

「ちょっと、いの?」

「なによ。いいじゃない!目の保養よ、保養!」

「もうっ!」

サクラといのがちょっとした言い合いをしていると、

「こんにちは。」

ドアの方から声がかかる。
そちらを向くと、黒髪で色白の男性が立っていた。

「あぁ、あの時の。」

この人も確か見張りの内の一人だ、とレンは思い出す。

「僕はサイと言います。先輩さん。」

「先輩…?」

雰囲気や目を見て、レンは同族の気配を読み取る。

「あなたも”根”ですか。」

「えぇ。どうぞよろしく。」

そう言うと、サイはちらりといのを見て、再びレンを向く。

「ブランクあるでしょうけど、せいぜい足を引っ張らないでくださいね。」

「ち、ちょっと、サイ!?」

隣で聞いていたサクラは驚き焦る。

「お気遣いなく。自分達の面倒くらい自分達でみれます。」

レンは気にする素振りもなく、淡々と返す。

「「「………。」」」

場の雰囲気が一気に寒々しいものになった。

「そうですか。後輩として気を遣ったつもりですが、要らぬお節介だったようですね。」

「お気持ちだけで結構です。」

「そうですか、それでは。」

言いたいことを言うだけ言って、サイはそのまま部屋を出ていく。

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