第67章 忍界大戦1
「…と、まぁ、こんなものです。」
レンは鶴丸には答えず、綱手に向き直った。
「そうか…。」
何だか、資料のデータと本人の印象が違う気がする、と綱手は内心思う。
「封印というより、足止めだと考えてもらう方がいいと思います。」
「十分だ。穢土転生は術者を倒さない限り殺せないのだから、足止めでも何でも動きを止められるのであれば問題ないだろう。」
「分かりました。」
綱手とのやり取りにひと段落したところで、カカシが再び切り出す。
「じゃ、君には早速だけど第4部隊に就いてもらう。」
「隊長は?」
「砂隠れの影、我愛羅だ。表向きはな。」
「表向き?」
「我愛羅君は大連隊の隊長にも就いているし、兼任なんだよ。事実上は奈良シカマルが隊を束ねることになるかな。」
「…分かりました。但し、お願いがあります。ある程度の自由行動を許してください。」
そう切り出したレンに、その場に騒つきが生まれる。
「…何故だ?」
綱手は目元を険しくさせた。
「異界に渡ったせいだと思いますが、感覚がもう前と同じではなくなっています。つまり、今まで何でもなく出来たことが、今は出来なくなっているかもしれません。」
「どういうことだ?」
「上手く説明は出来ないですが、ある特定の場所には近づけないなどの予測困難な事が起こるかもしれないんです。」
綱手はカカシと顔を見合わせる。
「戦争に出たくない、って意味じゃないんだろ?」
「はい。」
「…いいだろう。カカシ、シカマルには伝えておけ。」
「分かりました。」