第67章 忍界大戦1
「更に言うと、基が氷なんで、状況如何で溶けて術が解けることも考慮してください。」
「ならば、お前の氷はどれくらいで溶けるんだ?」
彼女はレンに問いかける。
「暑い地方なら3、4時間。寒い地方ならば半永久的に。といったところでしょうか。」
「なら、全く使えない訳じゃないだろ。」
カカシが言う。
「どんな術なんだ?」
「そうですね…。」
綱手から問われるが、どうと聞かれても説明しづらい。
レンは暫し考えた後、実践して見せた方が早いと思い至り、鶴丸を向く。
「鶴さん、ちょっと付き合ってください。」
「ま、まさか実演するのか?」
「見た方が早いですから。」
「何も俺でなくても…」
「氷華縛。」
レンは問答無用で、素早く印を組んで鶴丸に触れる。
すると、触れたところからあっという間に凍りついていく。
全身氷に包まれたところで、別の印を組んで再び触れた。
「硬石雹結界。」
一瞬で白い氷の繭になる。
「解。」
術を解くと、氷はあっという間に消え去った。
「死ぬかと思ったわ!」
「一瞬でしょ?解いたじゃないですか。」
「そういう問題じゃない!」
「いてっ。」
鶴丸は思わずレンの頭に拳骨を落とす。
これが怒らずにいられるか、と切実に言いたい。
一方、薬研は明後日の方を向きながら、ほっと息をついている。