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君に届くまで

第67章 忍界大戦1



遺跡から出たところで、カカシは後ろを振り仰ぐ。

「しかし、君も思い切ったことしたねぇ…。」

「何がですか?」

隣にいたレンはカカシの問いに答えた。

「発動するかも分からない術式をよく使う気になったな、ってことよ。」

カカシはレンを見て言うが、彼女には言われている意味が分からない。
発動しない、なんて考えは毛頭なかったのだ。

「…どういう意味ですか?」

「そのまんまだよ。この術式は特定の条件を満たさなければ使えない。反応しないんだ。」

「へぇ…。」

初耳だ。
条件って何だったんだろう…。

「へぇ、って…。まさか知らなかったの?」

「はい。触った感じは発動しそうだな、とは思ってたんで。条件があることは初耳でした。」

カカシをはじめ、それを聞いた一同は皆、呆れ顔を浮かべる。

「行き先は?どこに繋がってるのか知ってたの?」

「全く知りませんでした。追い詰められてたんで、ここから抜けられるならどこでもいいと思って発動させただけですから。」

「…それで住めないところだったらどうしてたの?」

「その時考えます。」

「…君、かなり行き当たりばったりだったんだね。」

両隣でそれを聞いていた鶴丸と薬研は顔を引き攣らせている。

「…なぁ。もし術が発動しなかったらどうなってたんだ?」

鶴丸がレンの肩を掴む。

「あの時は囲まれてたんで、確実に死んでいたと思います。」

「「おい!!」」

鶴丸と薬研は我慢できずに突っ込んだ。

「馬鹿なのか!?キミは馬鹿なのか!?」

「ぶっつけ本番で試すのは止めろ!!」

「いや、追い詰められなきゃ私だって使おうとは思いませんよ。遺跡だし。」

レンはムッとする。

「怒りたいのはこっちだ!バカ娘!」

「もうちょっと身の安全を考えろ!」

鶴丸と薬研は頭を抱える。
終わり良ければ…とは言うが、本当に運が良くて助かった、と2人は安堵した。

近くで聞いていたカカシ達は、苦笑いを浮かべて乾いた笑いを零した。
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