第67章 忍界大戦1
「…あんのクソ親父…!」
思わず巻物をくしゃくしゃに丸めようとしたところで、すっと取り上げられてしまう。
「フリーの忍って、こういう契約書類は特に誠実でなきゃダメなんでしょ?」
にっこりと笑うカカシが忌々しい。
レンは不機嫌を隠すことなく、仏頂面を浮かべる。
「…やりますよ。やりますとも。」
苛々と今にも噛みつきそうな顔付きのレンに、カカシは苦笑を浮かべる。
「けど、自来也様の遺言だけが決め手じゃあない。抜け忍となった後のことは、根の報告書を見せてもらった。成果は悪くないね。追い忍は全て窒息死。死体の周りには大量の水の跡。」
鶴丸と薬研はピンときた。
氷を使ったのだ。
「君の体には雪の結晶のようなアザがあるとあった。霧隠れの、とある里跡にも入っていることが確認されている。」
レンは無言で答える。
「君は、氷遁で名の知れた氷室一族の生き残り、だろ?」
「…全てお見通しですか。」
レンは大きくため息をついた。