第67章 忍界大戦1
「自来也様の遺言だから、だよ。」
「遺言って…。」
ー死んだ…?
自来也様が…?
自来也の死が俄には信じられず、レンは瞠目する。
「驚いただろ。俺も知らせを受けた時は、まさか、と思ったもんさ。
潜伏前、自来也様は俺を訪ねてくれていてな。
”もし戦争になったら、可能ならばレンを呼び戻せ”と言い置かれていった。」
「…自来也様がそこまで私を買っていたとは思えませんが。」
レンは訝しげにカカシを見る。
彼はなまじ頭がいいだけに、どこから嘘でどこまで本当か判断がつかない。
「渋るようだったらこれも渡すように頼まれてる。」
レンの思考を読んでいたかのようにそう言われて、巻物を渡される。
それは誓約書だった。
“いついかなる時でも、木の葉の為にその身を捧げて一助となることを誓う。”
といった内容だった。
よれよれの自分の直筆もある。
覚えがない。
覚えはないが、紛れもなく自分の筆跡だと判別できる。
どういうことだ、と冷や汗を流しながら必死に記憶を手繰ると、修行をつけてもらった最終日、酒に付き合わされ、しこたま飲まされたことを思い出す。
そしてレンは、実は酒に弱い。
繋がった。