第67章 忍界大戦1

「…何故、レンなんだ。」

鶴丸は黙っていられず、口を挟む。
話には聞いていたが、本当に戦争があるとは…。
しかも、聞けば大戦と言う。
里はレンを苦しめておいて、まだ尚里の為に苦しめようというのか。

「何もレンじゃなくてもいいだろ？大きな戦争ならレン一人呼び戻したところで戦況なんて変わらないじゃないか。」

薬研も堪らず口を挟む。
今まで散々辛い思いをしたんだ。
これからは穏やかに過ごしてほしい。

「そういう訳にもいかないんだな、これが。」

カカシは困ったように後ろ頭を掻く。

けれど、レンも得心がいかなかった。
この遺跡の術式はかなりチャクラを使う。
戦争前なら尚のこと。
態々、それも生きているかも分からないような奴を手間暇かけて呼び戻す意味が分からない。

「…私も気になりますね。私一人が戦争に加わったところで勝敗なんて左右されない。木の葉で、そこまで実力を買われたことはない。それを態々、遺跡を調べ直し、時間を割いてまで私を呼び戻すことに何の利点があるんでしょう？」

カカシはそれを聞くと、軽くため息をつく。

「まぁね、俺もそう思う。正直、今までの経緯を調べたけど、君の経歴はあまり芳しいものではなかった。ランクをつけるとすれば精々が中忍止まり。はっきり言って、役には立たない。」

「なら…」
「それに、君がこの術式から世界を渡った確証はない。最悪は死体になっている可能性すらあった訳だ。運良く呼び戻せても、里抜けしている君が俺達に協力する保証はどこにもない。」

「そこまで分かっていて、何故？」

言われたい放題言われたレンは、不機嫌も露わに問い返す。