第66章 おわりのはじまり
レンは急いで厨から近い風呂場に駆け込んだ。
「ちょっ!レン!!」
着替えている最中だった大和守は、慌てて戸棚の影に隠れる。彼女は聴こえているのかいないのか、大和守を見向きもしなかった。
レンは鏡に顔を近づけると、べーっと下を出して確認する。
すると、常にあった黒い模様が消えていた。
それの意味するものは…。
「ダンゾウが死んだ…。」
ーあの殺しても死ななそうな奴が死んだ。
大蛇丸と繋がりがあったのだから、延命くらいしているかと思っていたのだが…。
「ダンゾウ?って誰。」
着替えた大和守がレンの隣に並ぶ。
「根の…頭領です…。」
忌々しい呪印なぞ消えて清々すると思っていたのだが、いざ消えてしまうと存外落ち着かない。
「何で死んだって分かるの?」
レンは、困惑気味な瞳を大和守に向けながら舌を出した。
「……?舌がどうかした?」
「今は何もないでしょう。」
「そうだね。」
「けれど、私の舌には呪印が刻まれていたんです。
根に属する者は例外なく刻まれる。
ダンゾウの行動や秘密を漏らさない為に。」
大和守はそれを聞いて眉を顰めた。