第65章 演練大会ーその後ー
「寒い…。」
レンはぼんやり目を開けると、捲れた布団を手探りで手繰り寄せ、もぞもぞとすっぽり頭まで被ってしまう。
「レンちゃん?」
それに気づいた燭台切が、布団を少し捲ってレンの顔を出すと、彼女の額に手を当てる。
「やっぱり高いね。」
確認すると、また布団を戻してやる。
「どういうこと?」
加州が燭台切に尋ねると、彼はベッドの周りに集まってきた彼等を見回した。
「昨日の夜中にね、熱が上がったみたいで…。寒いって言って僕の布団に潜り込んできたんだ。」
燭台切の言葉に彼等は一様に瞠目する。
「熱って…、怪我のせいか?」
「レン…。」
鶴丸と加州は心配そうに丸まっている布団の塊に目を向ける。
「とにかく支度しよう。フロントで病院に連れていっていいか確認しないと。」
「そうだな。準備して早いとこ連れて行かないと心配だな。」
燭台切と薬研の言葉に、彼等は慌ただしく動き出した。