第64章 演練大会ー2日目ー
『今大会は、これで終了となります。ご参加いただき、誠にありがとうございました。』
アナウンスが流れる頃には、外は綺麗な橙色に染まっていた。
「終わっちゃったなぁ。」
「終わっちゃいましたね。」
外を眺める薬研の隣で、レンもぼんやり外を眺める。
ー結局タダ働きに終わってしまった…。
フィンっと音がして、ドアから加州と燭台切が入ってきた。
「救急箱借りてきたよ。」
「さ、レンちゃん。手当てしようね。」
燭台切は1人掛けソファをぽんぽんと叩いて、座る場所を示す。
「放っておいても大丈夫ですが…。」
「ダメだよ。」
「俺が手当てするの。約束でしょ?」
2人掛かりで説得され、レンは渋々服を脱ぎ始める。
「…俺が言うのもなんだけど、もう少し恥じらったら?」
加州が少し頬を染めながら、顔を逸らした。
「脱がなきゃ傷なんて見えないでしょうが。」
何を言っているんだ、と言うように言ってから、レンはソファに座る。