第64章 演練大会ー2日目ー
その場で、両名の刀剣達は政府による検査が行われた。
26番の本丸は、刀剣全員が呪をかけられ、無理矢理強化されていることが判明し、その場で失格となる。
レンの本丸も、改造こそされていないと判じられたが、決められた刀剣以外は出てはならないというルールに違反した為、失格とされてしまった。
パシン!と小気味良い音がレン達の控え室に響き渡る。
七海がレンの頭をハリセンで叩いたのだ。
「何考えてるのよ!?あなた馬鹿じゃないの!?」
仁王立ちする七海の前に、レンは正座をさせられている。
レンの刀剣達は遠巻きに見守るしかない。
事が事だけに口出し出来ずにいるのだ。
「すみません。っていうか、それ。態々作ったんですか?」
レンは、怒られていることなど気にも留めない様子で、七海が持つハリセンを指差した。
「作るわけないでしょ!うちの鶴丸が作ったのよ!」
「それを態々持ってきた、と…。」
「私が持ってきたんじゃないわよ!勝手にバッグに入れられてたの!
って、そんなこと今どうでもいいのよ!反省しなさいよ!」
パシン!とまた小気味良い音が響き渡る。
「すみませんでした。」
「まったく…。こんな物が役立つとは思わなかったわ。」
七海は忌々しげにハリセンを見ては、ため息をついた。
レンの刀剣達は、それをはらはらした様子で見る。
一通りお小言が終わったのを見計らい、レンは気になっていた加州のことを尋ねようと口を開く。
「あの…。清光は見つかったんですか?」
「いいえ、見つからないわ。私から政府に捜索要請を出しといたわよ。
あなたも変装がバレてしまったし、黙ってる意味がなくなったからね。」
「政府ですか…。ちゃんと探してもらえるんでしょうか?」
「えぇ。信用できる人に伝手があったから。即座に了承してくれて動いてくれているわ。」