第64章 演練大会ー2日目ー
ブーーーー!!!
警報音が鳴り響き、辺りは薄暗い赤一色に染まった。
ー何だ…?何が起きた?
辺りを見回していると、光が空間いっぱいに広がり、視界が白く染まる。
思わず目を閉じてやり過ごすと、それは一時的なもので、すぐに普段の光量となる。
再び目を開けると、演練が始まる前に入った球体の中だった。
腕の中には、苦しそうな今剣もいる。
『38番本丸!刀剣改造により失格とします!』
アナウンスが流れた。
レンは慌てて球体から出ると、鶴丸も隣から出てきたところだった。
「どういうことだ!!」
鶴丸は納得いかず、エリア中央にいるマイクを持った女に怒鳴る。
『バーチャルエリアが壊れるほどの攻撃力は、本来刀剣にはない筈です!よって改造が行われたものとして失格とします!』
だが、女は厳格に判定を下し、考察の余地すら与えないようだ。
バーチャルエリアを壊したくらいで改造と判じられるなぞ、納得がいかない。
レンは素早く駆け出し、女に詰め寄る。
「納得がいきません。何をもって改造なんですか。エリアを壊したくらいで言いがかりをつけるのは可笑しいです。」
「そうだ!俺のどこに改造された跡がある!?今すぐ俺の刀を見てみろ!」
刀剣2人に詰め寄られた女は、一瞬たじろぐもすぐに持ち直し、キッと2人を睨み返す。
「私は審判です!判定を一任されている以上、この判定は覆しません!」
「横暴だ!!」
「横暴ではありません!刀剣が刀を振るうだけで大地が裂けるなんてあり得ないことです!不可能です!そんなことが可能だとすれば改造しかあり得ません!」
「刀を確かめてから言ってください。細工なんて何も施されてはいません。」
「とにかく!あなた方は失格です!」
「だったら向こうの本丸も失格にしてください。刀剣に細工がされてました。この子が証拠です。」
レンはそう言って、ぐったりしている今剣を審判に見せる。