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君に届くまで

第64章 演練大会ー2日目ー



「いた?」

「こちらも見つからない。」

「広いし勝手が分からないから探しようもないですよ。」

信濃、骨喰、鯰尾は、息を切らせて集合場所に戻った。



これで全員揃ったが、成果は芳しくない。
皆、焦りと不安で顔色は晴れない。

「泣き言を言ってる場合じゃない。加州君は今頃もっと不安な筈だ。早く助け出してあげないと。」

一期一振が鯰尾を叱咤する。

「僕もそう簡単に見つかるとは思ってない。けど、ここで見つけられれば事なきを得るんだ。お願いだ。」

半ば諦めが漂う中、燭台切はレンにこれ以上無茶をさせたくない一心で、七海の刀剣達に縋る。

「…分かってます。」

鯰尾もそれは理解している為、素直に頷いた。

「レンは無事か?」

骨喰が会場の中央部を見ながら呟く。

「さっきから映らなくなってしまったからな…。近くに鶴丸がいたようだったから大丈夫だとは思うが…。」

長谷部も心配そうに中央部を見下ろした。

今は薬研達が押されている様子が映し出されている。
無理もない。相手は太刀3人に打刀1人。
これだけ明るい所で且つ広い草原となると、短刀と打刀では些か不利だ。
それに相手は何か仕込んでいる筈だから、楽観は出来ない。

「無事終わればいいがな。」

長谷部は苦い顔を浮かべた。
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