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君に届くまで

第64章 演練大会ー2日目ー



「なんだ?」

鶴丸が怪訝そうにそれを見る。

「チャクラを流したら、電撃が流れてびっくりしました。」

「…似ていますね。」

江雪は眉を顰める。

「何が?」

鶴丸が尋ねる。

「こんのすけの時も、電撃の様な封印の呪に包まれていたと言っていませんでした?」

「あぁ、そういえば…。」

レンは五稜郭へ忍び込んだ時を思い出す。

「ってことは、やっぱり刀に何か仕掛けられてるんじゃないか?」

鶴丸が大和守を見る。

「もう一回ですね。」

レンはそう言うと、氷の基礎の印を組んでから、右手で柄を握る。
そして、左手の人差し指と中指を立てて刀身に触れた。
すると、小さくピシピシっという音が鳴り、指の周りに氷が広がる。

「彼の者を蝕む邪のものよ、姿を現せ。」

レンは唱えながら指からチャクラを放ち、刀身をなぞる。

パキパキパキ…

忽ち氷が刀身全体を包み込み、赤い見慣れない文字が浮かび上がった。

「これが原因でしょうね。」

「何だこれは?」

江雪と鶴丸は互いに顔を見合わせた。

「面倒ですね。もう一度チャクラを流してみますか。」

レンは、そう言ってチャクラをゆっくり流す。

「ぐ…ゔ…。」

大和守の呻き声と共に刀から電撃が伝わるが、今度は離さない。

レンは暫く我慢していると、文字が徐々に薄くなっていく。

「消えたな。」

「消えましたね。」

頭上で2人が言い合うのを聞きながら、レンは大和守の刀を鞘に戻した。

「次は短刀の子ですね。」

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