第64章 演練大会ー2日目ー
レンは、気を失った大和守をずるずると端に寄せ、木の根元に横たえる。
そして、まだ苦戦している彼等を見回した。どうも短刀の子は江雪に的を絞っているようだ。
「伽羅さん。」
レンは手の空いている大倶利伽羅に近づいた。
「…大和守はどうした。」
「あそこ。首を落としたから、脳震盪で暫くは起き上がれないと思う。」
「…そうか。」
相変わらず怖い奴だな、と思いながら、大倶利伽羅は大和守を見遣る。
「それより、薬研達を見てきてほしい。もしかしたら苦戦しているかもしれないから。」
「…あんたはどうするんだ。」
「鶴さんもいるし何とかなる。どうせ、ここはあと1人だ。」
それを聞き、大倶利伽羅は少し息をついた。
本当はレンに付いていたいが、薬研達の戻りが遅いのも気になるところだ。
「…十分気をつけろよ?」
大倶利伽羅は、そう言って走り出した。