第64章 演練大会ー2日目ー
「…おい。その口調なんとかならないか?加州の姿でそれは違和感がありすぎる。」
大倶利伽羅は苦い顔でレンを見た。
言われたレンはキョトンとした後、確かに、と思い直す。
「あぁ…。そう、だな。気をつける。」
レンはなるべく普段の加州の口調を思い出しながら答えた。
「頼むぜ。隊長。」
「いや、隊長は俺じゃない方がいいだろ。この中で適任なのは鶴さんか伽羅さんだと思うが。」
レンは目を瞬かせて鶴丸を見る。
「いや、この中で一番戦術に優れているのはレン…いや、加州だろう。」
「私もその方がいいと思います。」
鶴丸の言葉に江雪も頷く。
「俺は好きに動くぞ。」
大倶利伽羅は1人行動を望むようだ。
レンはそれを受けて暫し考えると、また面を上げた。
「なら、伽羅さんはそのまま好きに動いて。但し、付かず離れずの位置で常に味方の位置を把握すること。」
「あぁ。」
「向こうの布陣を知らないから何とも言えないが、薬研達が戻り次第、作戦を考えよう。その時には薬研と鶴さん、小夜と江雪で組んでもらう。」
「分かった。」
「承知。」