第64章 演練大会ー2日目ー
人目につかない場所に着くと、レンは変化の術で加州に化ける。
いつもより少し高くなった目線とヒールに、レンは少し嫌そうな顔をした。
「歩きにくいけど、まぁ仕方ないかな…。」
「…はい、どうぞ…。」
レンは燭台切から加州の刀を受け取ると、左側の腰に差す。
「念の為、クナイホルダー預かってください。」
「…OK。」
これでレンは丸腰同然だ、という苦い思いで燭台切はクナイホルダーを受け取る。
「さて、時間ですよね。ゲートまで急ぎましょう。」
レンはいつもの無表情で彼等に向き直る。
だが、それを見た彼等は一様に顔を顰めた。
普段顔に感情が出やすい加州が無表情なのがとてつもなく違和感があるのだ。
「本当に大丈夫なんだろうか…。」
鶴丸がぽつりと呟くと、薬研は遠い目をした。
「もう何とかするしかないだろ…。」
彼等は再びため息をついた。