第64章 演練大会ー2日目ー
燭台切は長い長いため息をつくと肩を落とした。
どうやら説得は出来ないらしい。
「OK…、分かったよ。こっちのことは任せて。くれぐれも深追いはしないようにね。」
「分かってます。」
それを聞いて、鶴丸達も深いため息をつく。
「レンが出るなら俺達が全力で守るからな。」
鶴丸が渋い顔で彼女を見ると、不思議そうな顔で見返された。
「そんな面倒なことする必要ありません。相手の攻撃は全部見切れますし、避けられますから。ただ私からの攻撃はおそらく出来ませんので、ボロが出ない内になるべく早く片付けてください。」
「反撃出来ないって意味か?」
「はい。刀なんて殆ど振るったことありませんし。忍術も体術もおそらく使えないでしょうから。」
それを聞いて、彼等の中に益々不安が渦巻く。
「…それで本当に大丈夫って言えるのか?」
「刀が使えないってだけで、太刀筋は止められます。それにいざとなれば体術だって使いますよ。黙ってやられるようなタチじゃありません。」
薬研が胃の腑を抑えながら問い返すと、レンは何でもないことのように答えた。