第64章 演練大会ー2日目ー
「私が代わりに出ますから。」
レンが平然と言った言葉に、彼等は耳を疑った。
「「「「…はい?」」」」
「変化して出ますから。問題ありません。」
「問題大有りだ!バカ娘!」
レンの言い様に鶴丸は思わず怒鳴った。
「ここまで来て棄権は勿体無いですよ。清光が見つかり次第また入れ替われば問題ないでしょう?」
「いやいやいや!問題だらけだ!」
薬研も、顔を引き攣らせて言い募る。
「とにかく出るったら出るんです。絶対譲りません。
光忠はこのことを七海さんに相談しておいてください。余裕があるなら引き続き捜索をお願いします。」
燭台切は心変わりを期待して口を開く。
「…本当に出る気なのかい?政府に言って探してもらった方が…」
「それで握りつぶされたらどうします?言い損ですよ?探してもらえる保証はありませんし。
それに十中八九26番が絡んでると私は予想します。
だったら乗り込んだ方が手っ取り早い。虎穴に入らずんば虎子を得ず、ですよ。」
彼の淡い期待は見事に木っ端微塵だ。
こうなったらレンは何を言っても止まらないだろう。
それに気持ちは分からなくはない。審神者自ら乗り込ませるのは、とてつもない抵抗はあるが。