第64章 演練大会ー2日目ー
少しして、両者は衝突したらしい。
途端に鶴丸達が大きくなった。
「拡大されたね。」
「見やすくなりました。」
鶴丸、大倶利伽羅の速さは短刀にも負けず劣らずで、確実に相手を凌駕している。
加州も2人にはまだ及ばないものの、息切れを起こすことなく、また攻撃を受けることなく、太刀筋を読んで対処出来ている。
薬研、江雪、小夜は攻撃を受けながらも、その傷を最小限に留めているようで動きに支障はない。
「…特訓。全員に施した方が良さそうですね。」
レンはぽつりと呟く。
「そうみたいだね。鶴さん達があれ程動けるところなんて、初めて見たよ。僕もその特訓受けたいくらい。」
燭台切は笑う。
「鶴さん達はどこか不調を訴えてるとかないですか?」
「いや、いつも元気そうだよ。」
「常とは異なることをしたんですから、何か不具合が出ても不思議はないと思ってたんですが。」
レンが燭台切の目を探るように見ると、彼はくすりと笑う。
「心配ないよ。何かあったならちゃんと言うし、本当に何事もないよ。」
「そうですか、ならいいですけど。」
そう言って、レンはまた中央部に目を向ける。
「…短刀組を早急に特訓した方がいいですかね。勿論実力は重視しますが。」
「短刀はその体質上、負傷しやすいからね。その方が釣り合いはいいかもしれない。」
「なら、帰ってから検討します。
一応、清光の次は薬研を考えています。たぶん、その次くらいには光忠の特訓が出来ると思います。」
それを聞いた燭台切はふわりと笑う。
「ありがとう。楽しみにしてるよ。」