第63章 演練大会ー1日目ー
「ありがとうございました!」
買い物を終えてレンが外に出ると、言い争うような声と共にちょっとした人集りが出来ていた。
「お前みたいなクズとレンを一緒にするな!」
清光の声だ。
レンは急いで人集りを縫って進むと、喰ってかかる加州と、それを止めている燭台切が目に入る。
彼等に相対するのは、5人程の柄の悪そうな男達だった。
彼女は急いで、燭台切に駆け寄った。
「すみません、遅くなったようで。」
「大丈夫。それより清光君を鎮めるの手伝ってくれるかい。」
レンは頷くと、加州を見て、彼の腕を引く。
「”加州さん”。」
彼女は敢えて前の呼び名で彼を呼ぶ。
すると加州は驚いてレンを振り返った。
「呼び方…。」
一瞬で上った血が下がったらしい。
「苦情は後で聞きます。何があったんですか?」
レンが問いかけると、間を置かずに相手の男達が口を開いた。